8小節を作曲するまでのプロセスを分解してみた

レッスン体験記

この記事で紹介すること

音楽をやっていると、一度は「シンガーソングライター」にあこがれるのではないでしょうか。私もギターをしてしばらくして、「作曲をしてみたい」と思うようになりました(特に今年の1月~)。

作曲については、「できる人はできるし、メロディーも何も浮かばない自分が作曲なんてできるのかな・・・。」という気持ちがありました。しかし、能力的にも完璧である必要はないし、案外自分に合ったステップが見つかれば、確かにできるようです。

自分の場合は、まだフルコーラスの曲が作れていませんが、1コーラスの作詞作曲を2つほど作ることができました。ただ、1コーラスも結局は8小節×3だったりするので、この記事では、作曲のレッスンを受けてからどのように8小節を作ったのか、一例を紹介できればと思います。

※この記事にはプロモーションが含まれています。

前提:人によって違う作曲のステップ

前提としてですが、作曲ができるようになる方法は、①持っている技術や、特性に応じて異なるし、実は、②一人で全部できる必要もないようです。辻村先生が、作曲のレッスンをするときの考慮要素は以下の7つとのことです。

  • メロディーが浮かんでくるか
  • 歌詞が浮かんでくるか
  • コードをつけられるか
  • メロディ無しでコード進行を作れるか
  • 楽器でメロディを弾けるか
  • それぞれの要素について今後習得したいと思うか。

ちなみに、楽器をしていてもメロディーが浮かんでこない人もいれば、逆に楽器をしていなくてもメロディーや歌詞が浮かんでくる人もいるということで、本当に多種多様なので、作曲したい人は、まずは先生に相談するのが一番の近道ですね。そのような前提を認識したうえで、あくまでも一例として読んでいただければと思います。

自分の作曲時の能力

ちなみに、おにおんクラブの作曲をしたい!ということを言い始めた時点での能力としては、こんな感じでした。これに状況が近い人は特に参考になるかもしれません。

①ピアノを習っていたので五線譜は読める。

②ギターは3曲~4曲通しで弾くことができる(ソロギターではなく弾き語り)。

作曲自体はほとんど経験ない(中1の時の音楽の授業で作曲をした朧気な記憶が・・・)

元々ギターレッスンで目標としていた3~4曲通して弾けるようになることや、人前で弾けるようになることを達成できそうになったことなどから、作曲にチャレンジしてみることにしました。

具体的な作曲プロセス

ということで、本題ですが、作曲にチャレンジするにあたって、以下のようなステップを踏みました。

① ダイアトニックコードの機能について学ぶ

まずは、作曲の前提として、ダイアトニックコードや、トニック・サブドミナント・ドミナントの機能について学びました。作曲について積極的に情報発信されているうちやま先生のポッドキャスト(2023年6月30日「音楽理論のここだけは作曲超初期におさえておきたい」)でもこれはまず学んでおいた方が良いといわれていますね。

ダイアトニックコードや、トニック・サブドミナント・ドミナントは何?と言う方は以下のブログが分かりやすいと思います。

トニック、サブドミナント、ドミナントとは? 初心者集まれ! 指板図くんのギター・コード講座 第27回 | ギター・マガジンWEB|Guitar magazine
トニック、サブドミナント、ドミナントは、コード進行というものを理解する上でとても役立つ概念ですが、なかなかわかりにくいものでもあります。そこでこの概念を、公園の滑り台に例えて感覚的に説明します。

ただ、ここまで説明しておいて何ですが、例えば、F→G→Cという流れがそういえばよくある気がする、という感覚を説明してもらっている感じです。

ここでガチガチに記憶する、というよりかは、後程分析等の時に役立つように知っておく、という程度でも良いかなという気がします(何故なら、コード進行はとりあえず定番のものを使ったから)。

 とりあえずコード進行を決める

自分の場合は、「良いコード進行」と言っても正直全然思い浮かびません(良い曲はたくさんあるのに不思議ですね笑)。そこで、自分の場合は、カノン進行や、小室進行など、定番のコード進行をそのまま使うことにしました。

また、今後もやはりまだまだ引き出しが少ないことを自覚しているので、とりあえずしばらくは以下の本を「ネタ集」として活用しようと思っています(めちゃくちゃコード進行がたくさん載っていてオススメです。)

③ コード進行からターゲットノートを決める

ここからは若干私が独特かもしれませんが、昔中学1年生のときに学んだ音楽の授業の遠い記憶の話をしたところ(とりあえず音を決めて間を埋める)、先生が「そのような方法がイメージがあるなら、ターゲットノートを決めてみるのはどうか」と提案してくださりました。ターゲットノートとは、とりあえず決めておく音、という感じでしょうか。

具体的には、とりあえず小室進行(Ⅵm→Ⅳ→Ⅴ→Ⅰ)を使うことにして、コード進行をAm→F→G→C とします。

次に、全部1小節ずつであることを前提に、以下のようにターゲットノートを決めます。

  • Amの1拍目をラ
  • Fの1拍目をファ
  • Gの1拍目をソ
  • Cの1拍目をド

 ターゲットノートに合わせてメロディーをとにかく作る

ここが結構辛いところなのですが、最悪、同じ音の連続でも音楽になります笑。ということで、こんなつまらない音楽を作っていいのだろうかという常に出てくる反論は黙殺しつつ、とにかくメロディーを作ってみます。ということでとりあえずこんなメロディーを作ってみました。

なお、順番を迷ったのですが、先に⑤をすることも有りです。その場合は以下のようなことをします。

  • 歌詞を決める
  • 手で拍を取りながら歌詞の区切りを考える
  • 単語の発音や文章のイントネーションに合わせて音を上下させる。

④ 違和感があればターゲットノートを変える

若干③の中にも入るのですが、③でメロディーを作っている間に、「これのターゲットノートには落ち着かないな」という部分が出てきます。そうすると、とりあえず自分がイメージした音に置き換えます。

上のメロディーは2小節目のファが、もう少し盛り上がりたい、ということで「レ」にしました。

⑤ ④までで作った4小節のメロディーをベースにもう4小節を作る

このタイミングで4小節目が下がるバージョンも作り、合計で8小節としました(完成版は⑧の部分に掲載しています。)。

⑥ 歌詞を決める

とりあえず、今回の歌詞としては「ギターをひいたらうたいたくなるんだー 歌を歌えばこころがはれるんだ」としてみました。正直歌詞を考えるのも結構大変で、歌詞の悩ましさについては以下の記事に書いています。

ただ、とりあえず言いたいことを言うと、レッスンでうまく曲に合わせた表現を一緒に考えていただけるのでとても助かります笑(この表現もレッスンで先生と考えました)。

 歌詞に合わせてメロディーも修正する

上の歌詞だと、明らかに3小節目の音が足りません。ということで、4小節目の最初の八分休符を八分音符にし、また、2小節目の最後にファの八分音符を入れました。

⑧ その他(ポップスっぽくする、8小節にする)

また、最初のオリジナルのメロディーは、なんというか非常に単調な感じがしました。これをポップスらしくするため、最初をや5小節目のはじめのドを食い気味にしたりしました。ここのあたりは先生にちょっと手を入れていただきながら完成したのがこちらです。

こんな感じのながれでしょうか。

作曲の作業で困ったこと

地味に困ったのは、アコギを弾きながらだと、キーボードなどが弾けないということです。そうすると、いまいち自分が何の音を出しているのか分からず、これが作曲作業が遅くなる理由でした。これを解決する方法は以下の2つです。

①アプリのFlatを使う(クラシックギターで和音を出せる+自動演奏をしてくれる)

Flatの使い方については、こちらの記事をご参照ください。

②(iPhone・iPadユーザー向け)GarageBandを使う。

これを使うことで、コードとメロディーは同時にできることはもちろん、ドラムとかも入れることが可能です。急にかっこいい感じになります笑。

最後に

ということで、普通は、作曲して完成したものを披露することが多いかと思うのですが、作曲の過程も知れると、多くの方々にとって「自分もやってみよう」と思えるかもしれない?と思い、書いてみました。

ちなみに、色々なコード進行や、シンガーソングライターの作曲術を知れる本としては、ACOUSTIC GUITAR MAGAZINE(2021年12月号Vol.90)があります。ご関心のある方はこちらもご覧ください。

コメント

タイトルとURLをコピーしました