この記事で紹介すること
アコギをしているとよく「指板上の音を覚えておくとよいよ」ということを良く聴くと思います。実際指板上の音を全部で覚えることができれば・・・
- コードの構成音がすぐわかる
- メロディーも弾きやすい
- 様々なスケールが覚えやすくなる
などなど、めちゃくちゃ色々な技術が向上するし、しかも、一度覚えればそのあとずっとその基礎の効果が継続するので本当に有益だと思います。実際、今日購入した「4小節単位でブルース・フレーズのレパートリーが増やせる本【増補版】」でも、覚えておいてほしいこととして「指板上の音を覚える」ということが言及されていました。
・・・しかし、なかなかこれが頭に入らないですよね。しかも指板上の音の覚え方については「頑張る」以外の情報があまりなく、途方に暮れている方もいらっしゃるかと思います(私は現在進行形で悪戦苦闘中です笑)。ただ、色々な方が提案してくださっている覚え方を見ていると、いくつかパターンがありそうな気がしたので、自分の頭の整理も兼ねて1弦~6弦の0フレット(開放弦)~12フレット(合計78個)の覚え方をご紹介したいと思います。
※ちなみに、1弦は細い方の弦、6弦は太い方の弦です
覚え方の方向性
究極はゴリゴリ全体を暗記するしかないと思うのですが、とはいえステップが必要だと思うので、私の方針としては以下のように考えています。
- 指板全体をパーツで分ける
- 小分けにしたパーツが一部重なるようにする
- #・♭が付く部分の記憶は後回しにする
- 期間を決めて覚える+繰り返す
ただ、4点目はなかなかストイックにはできないのですが苦笑、1点目、2点目については覚え方が結構重要な気がしています。自分の経験上、自分が知っていることに関連していることは覚えやすいという法則があるので、全体が重なりがないように分けるのではなく、一部重なるような覚え方をするのが良い気がしています。
暗記方法①:フレットごとに覚える
1弦~6弦の開放弦
まず、おそらく多くの方はチューニングをするために開放弦の音を覚えるかと思います。これ、よく考えればいえると思うのですが、ただ、あまり法則性がなく覚えるのに苦労している方もいらっしゃるかと思います。というか自分がそうでして、「ミラレソシミ」であればすぐに言えるのですが「EADGBE」がすぐに出てこないのです。
そこで、全然一般的な覚え方ではないかもしれませんが、自分は6弦から順番に以下のような語呂で覚えました。家でジビエパーティーみたいなイメージでしょうか笑。
イ(E)エ(A)デ(D)ジ(G)ビ(B)エ(E)
ただ、これも、ゆっくり6弦から対応関係を考えれば、どの弦でもこたえられるのですが、●弦は?と聞かれても反射的には答えられないですよね。そこで、特に2弦~5弦が自分にとって混乱しがちなので、以下のようにさらに語呂を合わせて覚えています。
エンピツの2B
携帯電波の3G
シネマ技術の4D
電流の強さの5A
自分は、この覚え方で、かなり開放弦については思い出すスピードが速くなりました。みなさんもぜひアレンジをしてみてください。
ちなみに、開放弦を覚えることで、自動的に1オクターブ上である12フレットの音も覚えたことになります。
5フレットの1弦~6弦
次に、開放弦に関連が深いのは、5フレットかと思います。なぜならば、以下のような対応関係があるからです。
つまり・・・
6弦5フレット=5弦開放=A
5弦5フレット=4弦開放=D
4弦5フレット=3弦開放=G
3弦5フレット=(2弦開放+1フレット)=C
2弦5フレット=1弦開放=E
1弦5フレット=6弦5フレット(※)=5弦開放(※)=A
(※1弦5フレットとは2オクターブ差がありますが・・・)
3弦5フレットだけ若干イレギュラーではありますが、Cなのでむしろここだけピンポイントで覚えやすいかもしれません(笑)。さらに、1弦・6弦5フレットは同じAなので、ここも結構覚えやすいかなと思います。
そうすると、5フレットは2弦(E)、4弦(G)、5弦(D)が特に覚える必要があるものになりそうです。
ここまでで覚えられること
ここまで覚えると、1フレット、5フレット、12フレットの1弦~6弦の全部で18個/78個中を覚えたことになります。
暗記方法②:弦ごとに覚える
1弦・6弦を覚える
次に、覚えやすいのは6弦、そして6弦と2オクターブ高い1弦かと思います。ちなみに、6弦の音を覚えると何が便利かというと、Fコードの形のままずらせば、6弦の音をルート音としたコードになるということです。
例えば、6弦8フレットの音はCですが、8フレットをセーハする形でFコードの指の形で8フレット~10フレットを押さえれば、これは「C」のコードの押さえ方の一つになります。なので、6弦の音を全部覚えておけば、単純にFを除き11個のコードを覚えたことにもなります。
なお、6弦上の音を覚えていく場合は、以下のように、単純に開放弦から順番に、E、F、・・・と覚えることができるので、最初頭で理解できることは容易かと思います(青字部分は「暗記方法①:フレットごとに覚える」で触れている部分、緑字の部分は既にコードにより覚えていると思われる部分)。ただ、そこから反射的に出るところまでは難しいのですが。
E、F、F#/G♭、G、G#/A♭、A、A#/B♭、B、C、C#/D♭、D、D#/E♭、E
また、6弦の開放弦、5フレット、12フレットは既に「フレットごとに覚える」の部分の復習になり、さらに、1フレット、3フレットはFコード・Gコードでルート音としてそれぞれ抑えているので覚えやすいかと思います。そうすると、残りは1弦7フレット(B)、8フレット(C)、10フレット(D)です。こう考えるとかなり覚えやすくなるのではないでしょうか。
5弦を覚える
さらに、6弦と同じ要領で、5弦も覚えると便利です。今度はCの音である5弦3フレットを抑えつつ、指をBの形にして1弦~5弦をセーハして抑えると、5弦の音をルート音としたCコードを弾けるようになります。
5弦上の音も以下のような形で開放弦から順番に覚えれば良いのは分かりやすいかと思います(青字部分は「暗記方法①:フレットごとに覚える」で触れている部分、緑字の部分は既にコードにより覚えていると思われる部分)。
A、●、B、C、●、D、●、E、F、●、G、●、A
また、5弦の開放弦、5フレット、12フレットは既に「フレットごとに覚える」の部分の復習になり、さらに、2フレット、3フレットはBコード・Cコードでルート音としてそれぞれ抑えているので覚えやすいかと思います。
そうすると、残りは7フレット(E)、8フレット(F)、10フレット(G)です。5弦についても、こう考えるとかなり覚えやすくなるのではないでしょうか。
ここまでで覚えられること
ここまでくると、以下の45個/78個の指板の音が覚えられている状態になります。
- 1フレット、5フレット、12フレットの1弦~6弦
- 1弦、5弦、6弦の0フレット(開放弦)~12フレット
暗記方法③:特定のルート音で覚える
Cの音を集中して覚える
さらに、2弦~4弦の暗記方法としては、とりあえず各弦でのCの位置だけでも覚えておくとその周りの音を覚えやすくもなります。
これを文字であらわすと、
6弦:8フレット
5弦:3フレット
4弦:10フレット
3弦:5フレット
2弦:1フレット
1弦:8フレット
Cの音を覚えておけば、その1フレット下はB、3フレット下はA、2フレット上はD、4フレット上はEなど、そこに派生して覚えやすくなるかと思います。
これによって少なくとも2弦~4弦は以下の9個を追加で覚えることができるようになります。
4弦:7フレットがA、9フレットがB、10フレットがC
3弦:2フレットがA、4フレットがB、7フレットがD、9フレットがE
2弦:1フレットがC、3フレットがD
また、これを覚えると、6弦~3弦では、2つ弦を進んで(例:6弦→4弦)2フレット上がる(8フレット→10フレット)とオクターブになるという法則も見えてきます。また、6弦8フレットはCですが、5弦10フレットはGです。つまり、6弦(実際は5弦・4弦でもですが)では、1つ弦を進んで(例:6弦→5弦)2フレット上がる(8フレット→10フレット)と5度上の音になるという法則も見えてきます(まさにこれがパワーコードのことです)。
ここまでで覚えられること
ここまでくると、以下の54個/78個の指板の音が覚えられている状態になります。ここまで覚えると約7割ぐらいカバーできているので、あともう一息な感じがしますね。
- 1フレット、5フレット、12フレットの1弦~6弦
- 1弦、5弦、6弦の0フレット(開放弦)~12フレット
- 2弦~4弦のCの音及びその周辺の音
暗記方法④:ペンタトニックスケールの形で覚える
さらに、音はとにかくペンタトニックスケールの形だけ覚えるのも、指板上の音を覚えるのに役立つように思います。例えばよく基本と言われるAmのペンタトニックスケールは以下の形なので、5フレット上の音の確認も復習的にすることができます。
暗記方法⑤:力技で覚える
さらに、細かいところはやはり力業で覚えていくしかない部分もあるのかなと思います。そこで、力業で覚える方法について2つほど紹介したいと思います。
書いて覚える
力技で覚える一つ目は、紙に以下のように1弦~6弦、開放弦から12フレットまでの図を書いて、それをひたすら埋めるという方法です。
ただ、この方法の難点は、書き方を工夫すれば(例えば、開放弦の音だけ覚えて、1弦ずつ0フレットから12フレットまで順番に書けば)ほとんど記憶力に頼らずに済んでしまいます。
そのため本当に実効的に覚えるためには、記入の仕方を固定せず、以前とは異なるプロセスでも埋められるか検討することが重要かと思います。
暗記カードを作る
様々な順番で確認するという意味では、やはり、単語帳カードを作ってシャッフルするのが一番ランダム性が高いのではないかと思っています。そのような考えから自分は単語帳を作っています。
これには、表面に例えば、「1-5」と書き(1弦5フレットの意味)、裏面にはA4とその音名を書いています。また、順番にこたえられないようにしてシャッフルしています。隙間時間にちょこちょこ確認している感じです。
現状の自分の立ち位置
自分の場合は上記のように色々考えたり覚えたりしようとしていて、数秒かかれば回答はできるのですが、まだ反射的に答えることができない状況です。
現時点での備忘録的に暗記方法についてメモをしてみました。少しでも役に立つと思ってくださる方がいると嬉しいなと思います。
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