「電子楽器の創造展」に参加して

music_listening 聴く

この記事で紹介すること

先日、家族で国立科学博物館に遊びに行ったのですが、そのときに、たまたま「電子楽器の創造展」というチラシを見つけました。

バーチャル企画展『電子楽器の創造展』|国立科学博物館
「電子楽器の創造展」の公式サイトです。2023年7月28日(金)~8月31日(木)、国⽴科学博物館バーチャル展⽰室にて開催!

どうやら、この企画展は「国立科学博物館バーチャル展示室」で開催されているとのことで、この取組み自体も面白いですし、電子楽器の歴史というテーマも気になり参加してみることにしました。

ということで、今日は、あまりギターは直接は関係ありませんが、MIDIのお話などは、パソコンで曲を作る方には興味深い点もあるかと思いますので、「電子楽器の創造展」に行った所感について少し紹介したいと思います。まず①ヴァーチャル企画展という企画について、②見学した内容について印象に残っていることの2本立てです。

企画展の内容

企画展の内容自体については、別途ホームページで詳しく説明されているので、ここでは詳細は述べませんが、以下の通り全体として4章構成になっています(4つの部屋があると考えるとわかりやすいかもしれません。)。

第1章 電子楽器のショーケース

第2章 電⼦楽器の偉⼈たち

第3章 What’s MIDI?

第4章 YMOステージの楽器たち

第1章は無料で見学することができ、第2章から第4章は有償(2500円)になります。電子楽器の開発の歴史や、MIDI規格について学ぶことができ、2500円の値段の中で、期間中は何度でも入場可です。

YMOは、私もあまり知らなかったのですが、「Yellow Magic Orchestra」の略語でして、最近亡くなられた坂本龍一さんもメンバーの一人だったようです。実際の1980年代に日本武道館で行われたライブの楽器たちを、ステージに上がってみることができます(これはバーチャルの良さですね。)

バーチャル企画展について

今回は、バーチャル企画展ということで、VRを使って博物館内を歩き回るという非常に新しい形での展示でした。私も初めてだったので、今回感じたメリット・デメリットについてまとめておきたいと思います。なお、私は、今回の企画展をPCから見ましたので、その前提でお話します。

メリットについて

メリットをいくつか箇条書きでまとめるとすると、以下の3点になるかと思います。

  • 家で見ることができる。
  • より近くで楽器を見ることができる。
  • 音を聞くことができる。

今回の展示で特にポイントは3点目かと思います。今回、何故VRにわざわざしたのかなと思ったのですが、そのことについて最初の方の説明の動画にながれていて納得しました。

実は、この展示、2019年にリアルで開催され、電子楽器の展示もあったそうですが、その時には展示のみで、電子楽器の音を聞くことができなかったようです。しかし、ヴァーチャルであれば、周囲を気にせず、また、楽器の保存状態を気にせずに音を聞くことができます。実際、私も、色々なシンセサイザーの音とその年代の音楽を照合するため、何度もYoutubeとこちらの展覧会を行ったり来たりしていました笑。

デメリットについて

あまり、大きなデメリットは感じませんでしたが、唯一「これはちょっとやりにくいかも」と思ったのが、視点の操作です。

単線的な動きしかできないので、少し下に視線を向けたまま、前方向に進行すると、どんどん床に近づいてしまいます。そのまま微調整をしたうえで進むだけだと、展示している楽器を下から見る感じになります。そのため、一度下がって上を向いて、進行したうえで、楽器の方を見るという操作をしないと全体を見ることができません。

ただ、これはPCだからこそこのような不便さを感じるのかもしれず、実際VRゴーグルで対応すれば、この不便さは感じなかったのかもしれません笑。

印象に残っている内容

ということで、ようやっと内容に入りたいと思います笑。内容について、あまり詳しく話すと問題が起きてしまいそうなので、私の立場からの印象に残ったポイントを3点ほどお話をしたいと思います。

色々なシンセサイザーを見学できた

まずは第1章のシンセサイザーについてです。同時に1つの音しか出せない「モノフォニック」から多くの音を出せる「ポリフォニック」へと商品も発展していきました。その歴史に沿って順番に製品(とその商品が出す音)を聴くことができます。

モノフォニックの場合はやはり結構単純な音になっており、1970年代の曲の素朴な印象はこのあたりからきているのかなとも思います。他方、1981年の8音を同時に鳴らすことができるポリフォニックのシンセサイザーが、一気に音の多様性が生じ、今のシンセサイザーに近くなった印象を持ちました。さらに、あるシンセサイザー(YAMAHA B200)の音を聴いて「小室ファミリーっぽい音だな」と思ったら、小室哲也さんが使われたもので驚きました。

このように、一度に多くのシンセサイザーを見学し、音を聞くことができるので、その年代順の変化も大変楽しく学ぶことがでました。

他方、リズムマシンについては、色々は発展はあったようですが、結構初期の段階からドラムの音等をしっかりと出している感じがします。

Rolandの創始者やMIDIについて知れた

また、Rolandについては名前を聞いたことがある程度でしたが、その創設者である梯郁太郎(かけはしいくたろう)さんについては、全然知りませんでした。

全体的に順風満帆ではないものの、ピアノ以外の製造の事業も立上げながら、最終的には生涯を通じて電子楽器の発展のために尽力したそのストーリーを聞くと、プロジェクトXを見た後のように、とても勇気づけられました。しかも、解説は、梯さん本人がしてくださります笑。

また、MIDIは、今では当たり前にありますが、やはりそれも梯さんを始めとして多くの方々の尽力によりつくられたそうです。この規格統一が電子楽器そして音楽の世界に与えたインパクトは計り知れませんね。今後楽器のレコーディング等をする場合には、この話をまた思い出しそうです。

テルミンの楽器の演奏も見れた

3点目は、珍しいテルミンという楽器を初めて知り、その演奏を聴くことができたことです。手を触れずに演奏することができる楽器で、電子楽器の原型とのことです。

音はあまり普段は聞かない音でして、なんとなく馬頭琴のような音に感じました(東洋的な雰囲気といいますか・・・)。電子音にもかかわらず、手の近づけ方や手の形次第で多様な音色を表現することができ、とても興味深かったです。

最後に

ということで、今日は、「電子楽器の創造展」について紹介させていただきました!

ヴァーチャル企画展ということにひかれて見学に行ってみましたが、色々とシンセサイザーの歴史や、日本の電子楽器を作ってきた方々の偉業を知ることが出来、大満足でした(YMOについてはあまり曲等も知らないので、もう少し時間をかけて味わいたいと思います笑。)。

まだこちらは8月末まで開催しているので、特にシンセサイザーに興味がある方のみならず、電子楽器をされている(又はこれからしようとしている方)はぜひ以下のHPを見てみていただければと思います。

バーチャル企画展『電子楽器の創造展』|国立科学博物館
「電子楽器の創造展」の公式サイトです。2023年7月28日(金)~8月31日(木)、国⽴科学博物館バーチャル展⽰室にて開催!

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